練習マッチ「帝京大学Avs明治大学A」観戦記
公開日:
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最終更新日:2017/08/18
ジチョー人見誠, ラグビー, ラグビーからの気づき, 大学ラグビー, 帝京大学ラグビー部
試合結果
2017年(平成29年)8月15日(火)13:00キックオフ
於:菅平サニアパークメイングラウンド
練習マッチ
○帝京大学A 56(前半21-14/後半35-13)27 明治大学A●
得点経過(前半)
前半4分 明治大G前からの明治ノータッチキックをカウンターした帝京大11竹山が一気にディフェンスを抜き去り先制T,11竹山G「帝京大7-0明治大」
前半16分 帝京大は明治G前5mスクラムからハチキュー〜連続攻撃〜FWゴリゴリで2堀越がT,11竹山G「帝京大14-0明治大」
前半22分 明治大は帝京G前ラインアウトからFWゴリゴリでT,10松尾G「帝京大14-7明治大」
前半30分 明治大は連続攻撃から12梶村がパスダミーで抜け出しリターンパスを受けた9福田がT,10松尾G「帝京大14-14明治大」
前半33分 帝京大は明治G前ラインアウトからモールを押し込み2堀越T,11竹山G「帝京大21-14明治大」
得点経過(後半)
後半5分 明治大が敵陣右中間で得たペナルティーからショットを選択〜10堀米PG成功「帝京大21-17明治大」
後半7分 帝京大がラインアウトクイックスローインから10北村が抜け出しビッグゲイン〜明治G前でFWゴリゴリ〜4菅原T,11竹山G「帝京大28-17明治大」
後半11分 帝京大はターンオーバーから連続攻撃〜明治ディフェンス背後へキック〜チェイスした15尾﨑がキャッチしそのままT,11竹山G「帝京大35-17明治大」
後半15分 帝京大は敵陣ラインアウトから右展開〜ショートパントを14矢富がナイスキャッチ〜リターンパスを受けた13岡田がT,11竹山G「帝京大42-17明治大」
後半17分 帝京大のドロップアウトからのキックを明治がチャージからゲット〜素早く左展開し11澤田がそのまま走り切りT,10堀米G×「帝京大42-22明治大」
後半19分 帝京大は全ての選手がリザーブメンバーに交代!
後半21分 明治大はセンタースクラムからハチキューでゲイン〜連続攻撃〜右展開〜リターンパスで最後は13高橋がT,10堀米G×「帝京大42-27明治大」
後半29分 帝京大は明治G前ラインアウトからFWゴリゴリ〜左展開でタテを突いた10奥村T,10奥村G「帝京大49-27明治大」
後半37分 明治大のノータッチキックを11神座からパスを受けた15鬼木が好カウンターでそのままトライに見えたが、レフェリーの判定はノックオン
後半38分 帝京大は明治G前での明治ボール5mスクラムを押し込みスティール〜8吉田がディフェンスを引きずりながらT,10奥村G「帝京大56-27明治大」
※観戦者が “そう見えた“ 通りに書いてる “非公式記録“ ですので、名前等の間違いやルール解釈ミス等があってもご容赦ください(笑)
観戦記
いよいよ長野県・菅平高原での夏合宿中に行われる練習マッチがスタートしました。
初戦の相手は関東大学対抗戦の雄・明治大学。過去にはお盆時期の夏合宿初戦はいつも明治大学と対戦していたんですが、ここ数年は組まれていませんでした。それがようやく今年復活!大学ラグビーファンとしてはたまらないカードなので、無理くり時間を作って観戦して来ました。
ちなみに昨年度の関東大学対抗戦・公式戦の結果はこちら。
○帝京大学 42(前半21-8/後半21-7)15 明治大学●
そして2ヶ月前、北海道の月寒屋外競技場で行われた関東大学春季大会の結果はこちら。
○帝京大学 40(前半26-7/後半14-19)26 明治大学●
過去の様々な統計から言っても春シーズンと夏の両方勝利したチームが秋シーズンの対戦でも勝利する確率は極めて高いので、明治大としては何としても春の14点差をひっくり返したい、そんな強い決意で臨んだ戦いだったと思われます。
前半開始早々、あっさりと先制したのは帝京大でした。前半4分、明治大が自陣ゴール前から蹴ったキックがノータッチとなったのですが、それをキャッチした帝京大11竹山晃暉選手が鋭く内に切れ込むと明治大の選手は誰も反応出来ずあっさりとそのままトライ!竹山選手はスペースのないところから瞬時に加速するスピードがピカイチなのに、明治の選手はキックチェイスがちょっと緩慢でした。
前半16分にも帝京大がフォワードのパワープレーで追加トライを奪いますが、明治大も2トライを返し同点に。その後帝京大がFWでもう1トライ奪い、トライ数3本-2本とほぼ互角で前半を折り返します。
後半5分に明治大は敵陣で得たペナルティからショットを選択、PGを決め4点差に迫ります。このような練習マッチにおいてこんな時間帯にPGを狙うケースはあまり多くないんですが、何としてもこのゲームに勝つという明治大の強い意志を感じた場面でした。
ただ、その明治の意志をあざ笑うかのように、その直後から帝京大が怒涛の3連続トライで25点差と突き放し、この時点でほぼゲームの行方を決めてしまいました。このあたりの帝京大の集中力はさすがです。
この3連続トライのうち2本は、帝京大が左右に展開している時に明治のディフェンスライン背後にキックを蹴り込みそれをチェイスしてキャッチし奪ったものでした。帝京大の選手がキックに即座に反応し複数の選手で追いかけボールをGETしてるのと対称的に、明治の選手はBKも戻りの意識が弱かったのとFWの選手も特に後半は足が止まりカバーに行けてなかったですね。
結局その後も双方がトライを取り合い最終的に「帝京大56-27明治大」と、帝京大が完勝しました!
スクラムに関しては、前半はほぼ互角でしたが、フロントローがリザーブに代わった後半の終盤に関してはやや帝京大が優位に立ってたように見えました。
ブレイクダウンに関しては基本的に明治も強く、ボール争奪戦に関してもほぼ互角の局面が多かったのですが、明治はディフェンスの時、タックラーや倒れた選手の立ち上がるのが少し遅い場合が多く、事実ノットロールアウェー(タックラーが倒れたままで球出しを妨げる反則)を何本も取られていました。その結果帝京大は労せずタッチキックでエリアを取りラインアウトから攻撃できるわけですから、このあたりは明治大が改善しなければならない課題ですね。
逆に明治大はBKのアタックは十二分に通用していて、特に10松尾将太郎選手、12梶村祐介選手などは再三ラインブレイクしていました。明治の選手は総じて当たり方が巧く、身体の重心を少しずらしながら接触するので相手のタックルミスを誘いやすいんですよね。あれだけBKが効果的なアタックをしているのだから、もうちょっとFWが奮起すればもっともっと得点力は上がるはずですけどね。
まあ私みたいなモンがこんな能書きを言わずとも明治首脳陣たちは課題が明確に見えてるはずなので、秋までにはしっかりと修正してくるでしょうし、秋シーズンの本番ではもっともっとハイレベルなクロスゲームとなることでしょう。今からもうそこが楽しみです♪
“帝京大は昨シーズンの課題だったスクラムが、あっという間にレベルアップしていますね!スクラム力を上げるのはとても時間がかかるので、一朝一夕での強化はムリ!” ・・・というのがラグビー界の常識ですが、短期間で強化しとるがな(笑)まあでも大学ナンバーワンのスクラムが目標ならばまだまだ道半ばでしょうし、単純な重さや筋力だけでなく相手との駆け引きやレフェリングとの同調など奥深いテーマのたくさんあるのがスクラムなので、まだまだ各校とも強化を継続していくことでしょう。
昨年までの帝京大の10番スタンドオフ(SO)には松田力也選手というあまりにも飛び抜けた存在がいましたが、今季はここまで北村将大選手、奥村翔選手という共に1年生のゴールデンルーキーが競いながらAチームで先発しています。この日先発した北村将大選手、とっても良かったですね。パス、ラン、キックを状況判断により効果的に使い分け、何度もチャンスを演出していました。今後のSOポジション争いにも注目です。
昨年はプレスキッカーも松田力也選手が務め驚異的な成功率を叩き出していましたが、今季のプレスキッカー竹山晃暉選手の成功率は昨年の松田選手をも凌いでいるんじゃないでしょうかね!?この試合でもパーフェクトだったんですが、竹山選手の場合は「あれ?今日は調子悪い?」っていうような試合がほとんどないんですよね。クロスゲームになればなるほどプレスキックの成功率は試合結果を大きく左右するわけで、この竹山選手のキックの安定感が帝京大の安定感につながっているように感じます。
あとどうしてもCTB岡田優輝選手のAチーム復帰には触れておきたい!4年前の高校選抜大会で初めて大阪桐蔭の2人の怪物(8吉田杏選手、15岡田優輝選手)をナマで観た時の衝撃は忘れられません。「こんなスゲー高校生がいるのか!?」カメラのシャッターを押すのも忘れ、彼らのプレーを食い入るように観たことを鮮明に覚えています。
吉田杏選手は昨年までずっと大学選手権優勝に貢献し続けていますが、岡田優輝選手はことごとくケガにも泣かされ、脚光を浴びる場面ではほぼ出場していません。彼らにとっても今年の秋シーズンがラストチャンス!厳しいポジション争いに打ち勝って、ぜひとも秩父宮ラグビー場で大勢のファンを唸らせて欲しい!心から応援しています!
あくまでも100% “観戦者の私見” ですので、「それは違う!」と思ってもクレームはご遠慮ください(笑)
出場メンバー
[帝京大学A]
1 西 和磨(ニシ カズマ)[4]京都成章180cm/112kg
⇒岡本 慎太郎(オカモト シンタロウ)[3]京都成章180cm/110kg
2 堀越 康介(ホリコシ コウスケ)[4]桐蔭学園174cm/102kg
⇒金 廉(キム リョム)[4]大阪朝鮮183cm/108kg
3 平井 将太郎(ヒライ ショウタロウ)[4]長崎南山185cm/125kg
⇒淺岡 俊亮(アサオカ シュンスケ)[3]京都成章186cm/130kg
4 藤田 達成(フジタ タツナリ)[3]東福岡192m/100kg
⇒菅原 貴人(スガハラ タカヒト)[3]御所実業185m/105kg
5 秋山 大地(アキヤマ ダイチ)[3]つるぎ191cm/111kg
⇒久保 克斗(クボ カツト)[1]國學院栃木191cm/99kg
6 今村 陽良(イマムラ タカラ)[3]東福岡186cm/110kg
⇒ジョセファ・ロガヴァトゥ[2]ハミルトンボーイズ196cm/106kg
7 申 賢志(シン ヒョンジ)[3]大阪朝鮮175cm/97kg
⇒古田 凌(フルタ リョウ)[4]京都成章183cm/102kg
8 ブロディ・マクカラン[3]ハミルトンボーイズ191cm/98kg
⇒吉田 杏(ヨシダ キョウ)[4]大阪桐蔭188cm/108kg
9 小畑 健太郎(オバタ ケンタロウ)[3]伏見工業170cm/73kg
⇒吉川 浩貴(ヨシカワ コウキ)[3]御所実業168cm/72kg
10 北村 将大(キタムラ マサヒロ)[1]御所実業171cm/78kg
⇒奥村 翔(オクムラ カケル)[1]伏見工業179cm/80kg
11 竹山 晃揮(タケヤマ コウキ)[3]御所実業176cm/82kg
⇒神座 立樹(カンザ タツキ)[1]専大松戸180cm/73kg
12 ニコラス・マクカラン[1]ハミルトンボーイズ188cm/90kg
⇒矢富 洋則(ヤトミ ヒロノリ)[4]仙台育英181cm/90kg
13 岡田 優輝(オカダ ユウキ)[4]大阪桐蔭180cm/86kg
⇒亀井 康平(カメイ コウヘイ)[2]摂津176cm/71kg
14 木村 朋也(キムラ トモヤ)[1]伏見工業174cm/74kg
⇒元田 翔太(モトダ ショウタ)[4]熊本工業178cm/94kg
15 尾﨑 晟也(オザキ セイヤ)[4]伏見工業174cm/85kg
⇒鬼木 秀一(オニキ シュウイチ)[3]名古屋172cm/82kg
※大学が発表したものを転記してますが、実際の出場選手と異なってる場合があります。
[明治大学A]
1 久原 綾眞(クハラ リョウマ)[4]佐賀工業177cm/108kg
2 朴 成浩(パク ソンホ)[4]大阪朝鮮175cm/99kg
3 吉岡 大貴(ヨシオカ タイキ)[4]日向183cm/110kg
4 小宮 カズミ(コミヤ カズミ)[3]目黒学院186cm/100kg
5 古川 満(フルカワ ミツル)[4]桐蔭学園186cm/107kg
6 前田 剛(マエダ ゴウ)[4]報徳学園180cm/101kg
7 井上 遼(イノウエ リョウ)[3]報徳学園183cm/96kg
8 坂 和樹(バン カズキ)[2]明大中野八王子181cm/102kg
9 福田 健太(フクダ ケンタ)[3]茗渓学園173cm/78kg
10 松尾 将太郎(マツオ ショウタロウ)[3]東福岡170cm/83kg
11 澤田 陵(サワダ リョウ)[4]明和県央178cm/83kg
12 梶村 祐介(カジムラ ユウスケ)[4]報徳学園180cm/95kg
13 高橋 汰地(タカハシ タイチ)[3]常翔学園180cm/87kg
14 渡部 寛太(ワタナベ カンタ)[4]北条185cm/90kg
15 山崎 洋之(ヤマサキ ヒロユキ)[2]筑紫173cm/82kg
[リザーブ]
16 安 昌豪(アン チャンホ)[2]大阪朝鮮177cm/114kg
17 武井 日向(タケイ ヒナタ)[2]國學院栃木170cm/97kg
18 船木 頌介(フナキ ショウスケ)[3]秋田工業178cm/115kg
19 箸本 龍雅(ハシモト リュウガ)[1]東福岡188cm/110kg
20 辻 惇朗(ツジ アツロウ)[2]常翔学園187cm/96kg
21 三股 久典(ミマタ ヒサノリ)[4]佐賀工業166cm/70kg
22 堀米 航平(ホリゴメ コウヘイ)[4]流通経済大柏178cm/89kg
23 宮嵜 永也(ミヤザキ エイヤ)[3]長崎北陽台177cm/80kg
この日グラウンドで会ったラグビー仲間たち

ジチョー人見 誠

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