アシックスカップ2017 第4回高校7人制ラグビー大会決勝トーナメント詳報③

アシックスカップ2017 第4回高校7人制ラグビー大会

「予選リーグ」結果はこちらからどうぞ!

「カップトーナメント1回戦1~4試合目」結果はこちらからどうぞ!

 

このカップトーナメント2回戦は、陽の落ちかけた時間帯から開始され、特に最後の第4試合「京都成章vs大分東明」戦は完全に陽が落ち、薄暗い照明の中で行われました。

なので第2試合の途中からはかなり画像が暗くなり、第3試合以降はただ真っ黒にしか写ってませんでした。これをPhotoshopで1枚1枚加工したため、後半の試合になればなるほど画像が粗く写りが不鮮明となっていますのでご了承ください。

 

カップトーナメント(予選リーグ1位同士)

2回戦

第1試合

○桐蔭学園[神奈川] 26(前半14-5/後半12-7)12 秋田中央[秋田]●

得点経過(前半)

前半0分 桐蔭学園は連続攻撃からキック~12中村がキャッチしそのままノーホイッスルT,5竹下G「桐蔭学園7-0秋田中央」

前半5分 秋田中央が敵陣ペナルティから速攻~近いところを突いてから左ブラインドで11佐藤T,9吉田G✕「桐蔭学園7-5秋田中央」

前半7分 桐蔭学園は自陣からロングキックを蹴りチェイス~12中村が押さえT,5竹下G「桐蔭学園14-5秋田中央」

得点経過(後半)

後半2分 秋田中央が自陣での攻撃中にファンブル~こぼれ球へ瞬時に反応した桐蔭学園11小西が素早く拾うとそのままT,5竹下G「桐蔭学園21-5秋田中央」

後半5分 桐蔭学園は敵陣ラインアウトから右展開~連続攻撃で9田村がT,5竹下G✕「桐蔭学園26-5秋田中央」

後半7分 桐蔭学園9がハイタックルでシンビン

後半8分 秋田中央が相手ペナルティから連続攻撃で攻め続け最後に3土橋が意地のT,9吉田G「桐蔭学園26-12秋田中央」

[観戦記]

秋田中央が格上の桐蔭学園を慌てさせるには先制して早い段階で追加点をあげるというのが必須だったと思うんですが、キックオフ直後に桐蔭学園があっという間のノーホイッスルトライで先制!これは秋田中央にとって痛すぎる失点でしたね。

あ、そう言えばやたらと “ノーホイッスルトライ“ というワードを連呼してることに気づきましたが、ラグビーにおいてノーホイッスルトライとは文字通りキックオフの笛が鳴って以降、スクラムだのペナルティだのレフェリーがプレーを止める笛を吹くことなくそのままトライに繋がることを言います。つまり “あっさりと簡単にトライを取った(取られた)” という表現方法だと理解してください。

ただそこからは秋田中央もきちんと立て直し、緊張感あふれる攻防を経て、前半5分には逆襲のトライ!しかし桐蔭学園も取られたらすぐに取り返します。これまた強いチームの法則 “取られたらすぐに取り返す” このあたりが桐蔭学園が全国トップクラスであり続ける所以のひとつでしょうね。後半早々にも追加点をあげたところで「桐蔭学園26-5秋田中央」と21点差。もうこの時点で勝敗の行方は決しましたね。

ただ前半も後半も開始直後にあっさり取られたのはいただけなかったとは言え、それ以外の時間帯の秋田中央は攻守とも素晴らしい戦い方を見せてくれました。予選リーグ全勝プラス決勝トーナメント1回戦突破はフロックじゃない、しっかりと実力を兼ね揃えたチームでした。何よりアタック力はとても非凡で、近場を執拗に突いてから突如オープンへ大きく振ったり、逆にあえて狭いブラインドサイドを突いたりと変幻自在で、桐蔭学園から奪った2トライも桐蔭ディフェンスを崩しての完璧なトライでした。

それでも最終的には全国のハイレベルな戦いの中での勝ち方を知っている桐蔭学園が完勝でベスト4進出、秋田中央は決勝トーナメント2回戦で惜しくも涙をのみました。

 

第2試合

○東福岡[前回優勝] 24(前半19-0/後半5-0)0 茗渓学園[茨城]●

得点経過(前半)

前半0分 キックオフをキープした東福岡が一気に攻め込むとあっという間に9隠塚がノーホイッスルT,5丸山G✕「東福岡5-0茗溪学園」

前半2分 東福岡が連続攻撃から6志氣T,5丸山G「東福岡12-0茗渓学園」

前半4分 東福岡が自陣からビッグゲインでトライ目前に迫るも、茗溪学園も必死のディフェンスで防ぎスクラムに。

前半5分 東福岡が茗渓学園G前スクラムから左展開で6志氣T,5丸山G「東福岡19-0茗渓学園」

得点経過(後半)

後半1分 東福岡が連続展開から抜け出し独走となるが、必死で戻った茗渓学園がナイスタックルからタッチへ押し出す

後半4分 東福岡が敵陣での連続攻撃から11焼山T,9隠塚G✕「東福岡24-0茗渓学園」

[観戦記]

茗渓学園は伝統的にBK展開力やハンドリング・走力などを持ち味とするチームカラーなので、双方点の取り合いになるんじゃないかなと勝手に予想していたんですが、いざフタを開けてみると双方のディフェンスが素晴らしくとっても引き締まった好ゲームとなりました。

茗渓学園はディフェンス面でもかなり良くがんばっていたと思います。東福岡のアタック力をもってすれば1試合30~40点以上取るのは造作も無いことだと思うんですが、特に東福岡が主力を準決勝以降に向けて後半早々から複数交代させ戦力温存を図って来たことを差し引いても、後半をわずか1トライに抑えたのはしっかりと東福岡の選手に身体を当てられていたからです。でも、東福岡ディフェンスはそれ以上に完璧でした。

本来15名で横70mのスペースを守るところをセブンスはわずか7名で守らねばならないわけですから、普通に考えれば完璧なアタックを仕掛けられたらなかなかトライを防ぐのは難しいんですよね。それを東福岡はいとも簡単(に見えるように)に防いでみせてくれます。誰が誰をノミネート(ディフェンス対象者を決める)するのか瞬時にコミュニケーションを取りながら役割分担し、一撃必殺のタックルで仕留め、そしてハンターのようにジャッカル(タックラーが素早く立ち上がり、倒したボールキャリアからボールをもぎ取りに行く)!寸分の隙もないとはこのことですね。

結局東福岡は積極的に選手交代を行いながら、能力の高い茗溪学園選手の誰ひとりとしてトライラインを超えさせることなく、完封で準決勝進出!やはり絶対王者は強い!今年も優勝の最右翼だなとこの時点で確信したのでした。

 

第3試合

○東海大仰星[大阪] 19(前半7-5/後半12-7)12 報徳学園[兵庫]●

得点経過(前半)

前半1分 東海大仰星が自陣で得たペナルティから速攻を仕掛けビッグゲイン~一旦捕まるが9西村がラックサイドを突き先制T,8谷口G「東海大仰星7-0報徳学園」

前半7分 報徳学園は敵陣ラインアウトから右展開~一次攻撃で右を余らせ7後藤がT,12山田G✕「東海大仰星7-5報徳学園」

得点経過(後半)

後半0分 東海大仰星は10和田が個人技で持ち出しそのままノーホイッスルT,8谷口G「東海大仰星14-5報徳学園」

後半4分 報徳学園は相手ペナルティから速攻を仕掛け連続攻撃~パスを受けた4中西がキレッキレのステップでディフェンスを次々とかわしT,12山田G「東海大仰星14-12報徳学園」

後半5分 東海大仰星がハーフウェーで得たフリーキックから8谷口がラックサイドを突きそのままT,8谷口G✕「東海大仰星19-12報徳学園」

[観戦記]

有力な優勝候補の一角である東海大仰星と、1回戦の戦いで私ジチョーを魅了してくれた報徳学園の戦い。正直カップトーナメント2回戦の中では最も楽しみなカードだったわけですが、期待通りのヒリヒリするような好ゲームを見せてくれました。

2回戦第1試合でも桐蔭学園の戦い方として書きましたし、第2試合の東福岡もそうだったんですが、この第3試合の東海大仰星もやはり前半と後半どちらも開始早々に集中力高くラッシュをかけて先制、そこで試合の主導権を握っています。つまり優勝候補と呼ばれるチームは押しなべて試合への入りを特に重要視していると断言できます。前後半が30分ずつあれば後半の挽回も可能ですが、前後半わずか7分ずつしかないセブンスにおいては最初に主導権を掴み先制したチームが圧倒的に優位だってことですね。

まあ「そんなこたぁ百も承知だけど、でもそこでスコア出来ないから困ってんだよ!」と大半のチームからお叱りを受けそうですが(笑)でも本気で全国制覇を目指したいなら、相手チームの分析を十分にした上で攻略ポイントを明確にし、チームの全員が同じ方向を向いてキックオフからエンジン全開・・・というチーム作りをすることが必須ということなんでしょうね。

でもその前後半開始早々の失点さえなければ、報徳学園にも十分チャンスがあったというのはスコア上からも明らかですよね。1回戦の時に私が目を奪われたアタック力は東海大仰星にも十分通用していました!特に前半7分のトライ、ラインアウトから一次攻撃だけでトライを奪ったんですが、ランニングコースやスピード・パスワークなどよほど個々の選手のスキルが高くなければ陣形の整ってる東海大仰星ディフェンスを一次攻撃で外に余らせることなど出来ません。とても印象に残るナイストライでした!

先制パンチが勝利のために必須なら、うまくいかない時間帯が続いた時に集中力を切らさず粘り強くディフェンスし続ける力も必須!後半5分に7点差とした後、約2分近くも報徳学園の猛攻を受けた東海大仰星でしたが、一切反則を犯すことなく最後の最後まで守り切った集中力は本当にお見事!最後は逆に報徳学園の反則を誘い、厳しい戦いをモノにした東海大仰星が見事ベスト4進出を果たしました!

 

第4試合

○京都成章[京都] 24(前半19-7/後半5-0)7 大分東明[大分]●

得点経過(前半)

前半1分 京都成章が連続攻撃から7笹岡が抜け出し先制T,5西川彪G「京都成章7-0大分東明」

前半2分 京都成章が右展開でゲイン~リターンパスを受けた4西川虎T,5西川彪G「京都成章14-0大分東明」

前半5分 大分東明は連続攻撃からカットインで切れ込んだ6河野が抜け出しそのままT,6河野G「京都成章14-7大分東明」

前半6分 京都成章が連続攻撃から左展開で7笹岡が抜け出しそのままT,10池田G✕「京都成章19-7大分東明」

得点経過(後半)

後半4分 京都成章が連続攻撃から2隈元T,4西川虎G✕「京都成章24-7大分東明」

[観戦記]

結局このカップトーナメント2回戦を制した4チームが全て前後半とも早い時間に先制しているんですよね。この京都成章も前半1分、2分と立て続けにトライを奪い、あっという間に14点差としたことで圧倒的な精神的優位に立ちました。この状況で大分東明に焦るなという方が無理な話。ここから気持ちを立て直し流れを引き寄せ初得点につなげたのは前半の終盤。しかもその直後に京都成章がすぐさま取り返し、2トライ差のまま後半へ。そして後半開始早々に京都成章がダメ押しトライ。この時点で勝利の趨勢は決まっちゃいました。

でも絶体絶命となったところからも大分東明は気持ちを切らすことなくがんばって攻め続けました。ずっと写真を撮っていたからよくわかりますが、後半は大分東明の攻撃場面が多かったし良い形を何度も作れていました。全国的に知名度の高い王者・大分舞鶴を破っての全国大会出場はダテじゃないですね。本当に実力を兼ね備えていたということがよくわかります。

春の選抜大会で殻をひとつ破り決勝進出まで駒を進めた京都成章ですが、このセブンス大会においてもここまでの2試合を観る限りベスト8クラスのチームとは一線を画す、言葉ではうまく表現できないんですがあえて言えば一段階オトナのチームへと成熟している感じがありました。優勝を狙うチームだけが持つ風格のような感覚とでも言いましょうか。劣勢の時間帯にはあえて無理をせず、チャンスと見るやカミソリのような切れ味鋭いアタックでいとも簡単に得点する戦い方はお見事でした。

 

プレートトーナメント(予選2位同士)

2回戦

第1試合

○尾道[広島] 24(前半12-5/後半12-5)10 高鍋[宮崎]●

第2試合

○深谷[埼玉] 31(前半12-7/後半19-5)12 松山聖陵[愛媛]●

第3試合

○佐賀工業[佐賀] 24(前半17-12/後半7-0)12 國學院栃木[栃木]●

第4試合

○筑紫[福岡] 29(前半24-0/後半5-5)5 鹿児島実業[鹿児島]●

 

ボウルトーナメント(予選3位同士)

2回戦

第1試合

○関商工[岐阜] 38(前半12-12/後半26-10)22 山口[山口]●

第2試合

○東京農大二[群馬] 35(前半14-5/後半21-0)5 朝明[三重]●

第3試合

○仙台育英学園[宮城] 38(前半26-0/後半12-7)7 山形中央[山形]●

第4試合

○長崎北陽台[長崎] 45(前半26-0/後半19-0)0 新潟工業[新潟]●

こうやって2回戦を勝ち残った各カテゴリの上位4校ずつが、翌日の決勝トーナメント準決勝・決勝へ進んだのでした!

 

※得点経過については筆者がそう見えた通りに書いている “非公式記録” ですので、名前やルール解釈等に間違いがありましてもご容赦ください!

※観戦記については100%筆者の私見です。筆者はとてもハートが弱いので、「それは違うぞ!」ということがあっても胸の中へとどめ、クレームはご遠慮ください(笑)

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ジチョー人見 誠

ジチョー人見 誠

パチンコ業界一筋30年、都内パチンコ店の営業責任者の50歳!岡山県岡山市出身!関西(かんぜい)高校入学後ラグビーと出会い、そのままラグビーに没頭!高校3年時にはラグビー部主将を務め~帝京大学でもラグビー部に在籍。息子も帝京大学ラグビー部に所属、史上初の親子部員。今でも足しげくグラウンドに足を運び、年間約120試合観戦している。

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