第55回大学選手権準々決勝「帝京大学vs流通経済大学」観戦記
試合結果
2018年(平成30年)12月22日(土)14:20キックオフ
於:秩父宮ラグビー場
第55回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準々決勝
○帝京大学[関東対抗戦1位] 45(前半12-0/後半33-0)0 流通経済大学[関東リーグ戦3位]●
得点経過(前半)
前半10分 帝京大は敵陣ラインアウトから連続攻撃〜右展開10北村〜12ニコラス〜14木村で先制T,15竹山G×「帝京大5-0流経大」
前半18分 帝京大は敵陣G前ラインアウトからモールを押し込みFWゴリゴリ〜流経大がペナルティー〜帝京大はスクラムを選択
前半21分 帝京大は敵陣G前5mスクラムを押し込みFWゴリゴリ〜流経大がスクラムコラプシング〜流経1藤田は反則の繰り返しでシンビン〜帝京大は再びスクラムを選択
前半22分 帝京大は敵陣G前5mスクラムから左ブラインドを突き9小畑〜15竹山〜11奥村T,15竹山G「帝京大12-0流経大」
前半31分 流経大は敵陣G前ラインアウトFWゴリゴリでフェーズを重ねるもグラウンディングは認められず5mスクラムへ
前半32分 流経大は敵陣G前5mスクラムからFWがタテを突きインゴールへ飛び込んだが、レフェリーの判定はアクシデンタルオフサイド
前半38分 帝京大は敵陣G前ラインアウトからモール〜FWがタテを突くがノットリリース
得点経過(後半)
後半0分 帝京大 選手交代 3當眞⇒18淺岡
後半5分 流経大が敵陣G前へ攻め込むが帝京大はカウンターラックからターンオーバー〜右展開〜14木村のロングキックで逆に敵陣G前へ〜左展開キックパスもタッチへ〜流経大オフサイド〜帝京大はタッチキック
後半6分 帝京大は敵陣G前ラインアウトからモールを押し込み4ジョセファがT,15竹山G「帝京大19-0流経大」
後半10分 流経大は敵陣での連続攻撃から右展開で抜け出しトライ目前も帝京9小畑の好タックルでギリギリタッチへ
後半11分 帝京大 選手交代 4ジョセファ⇒23藤田
後半12分 帝京大は15竹山が好カウンターからそのままひとりで走り切りT,15竹山G「帝京大26-0流経大」
後半15分 帝京大 選手交代 6今村⇒20安田
後半17分 帝京大は自陣スクラムから左ブラインドを突き11奥村がロングキック〜インゴールでそのまま押さえたように見えたが、レフェリーの判定は帝京ボールでの5mスクラムへ
後半19分 帝京大は敵陣G前5mスクラムからハチキュー〜9小畑〜10北村〜9小畑〜11奥村T,15竹山G「帝京大33-0流経大」
後半23分 流経大は敵陣G前ラインアウトからFWゴリゴリもラックパイルアップで流経スクラムへ
後半25分 帝京G前での流経スクラムを帝京大が激しく押し込みスティールに成功〜流経がスクラムコラプシングを取られる
後半32分 流経ドロップアウトを帝京大はカウンター〜21末〜23藤田タテ〜21末が裏へ出て8ブロディT,15竹山G「帝京大40-0流経大」
後半34分 帝京大 選手交代 1岡本⇒17長谷川耀、2清水⇒16奥野、9小畑⇒21末、13ニコラス⇒22西川
後半37分、帝京大は敵陣G前ラインアウトからタッチと見せかけ15竹山がオープンへキックパス〜14木村がキャッチしそのままT,15竹山G×「帝京大45-0流経大」
後半38分 帝京大 選手交代 5秋山⇒19菅原
※観戦者が “そう見えた“ 通りに書いてる “非公式記録“ ですので、名前等の間違いやルール解釈ミス等があってもご容赦ください(笑)
観戦記
いよいよやって来た大学選手権準々決勝!帝京大学を含むシード4校(関東対抗戦1・2位、関東リーグ戦1位、関西1位)がここから登場。
普通に考えれば関東対抗戦1位の帝京大が圧倒的優位なのですが、ただシード校は各リーグでの戦いを終え約3週間前後間隔が開いていて少しゲーム勘が鈍っている可能性があるのに対し、対戦相手はその前週に決して弱くない相手と戦っているので実践感覚が研ぎ澄まされているというのはあるんですよね。実際例年、思わぬところで下克上も起きていますし、帝京大とて決して気を緩めて良い試合ではありません。何より負ければ10連覇どころか、年も越せずして今シーズンが終わってしまうわけですから。
さあ前振りはこれくらいにして、この試合を振り返ってみようと思います。
帝京大は序盤から自分たちのペースをつかみ前半10分に先制トライ、そしてその12分後に2本目のトライ。
このまま一気に行くのかなと思いましたが、でもそこから試合の流れが流経大に傾くと大ピンチの時間帯が続きます。
結論から先に書くとそれでも失点は許さなかったわけですが、ファーストタックルのところでミスが起きゲインされる場面はいくつかありました。もちろん流経大にも魅力的なランナーが複数いたからではあるのですが、このあたりは次戦に向けてしっかりと修正しておかねばならないポイントですね。
でも、誰かがどこかで抜かれてもそのまま無駄にビッグゲインされることはほとんどなく、しっかりとカバーディフェンス出来ていましたね。内側にいる選手が自分の役目が終わった後も一切流すことなく献身的にカバーに走っているということであり、そのような地味で目立たない基本プレーを全員が意識高くやり続けているというところが帝京大学の最大の強みだと思います。
あとはとにかく安易な反則が少なかったですね。ペナルティーを犯せばタッチキックから自陣G前での相手ボールラインアウトというシチュエーションが増えますし、ディシプリン(規律)の意識が最初から最後まで雑にならなかったところもさすがだなと感じました。
そしてFW力は圧倒的に帝京大が優勢でしたね。スクラム等のセットプレー、モール、ラック、ブレイクダウン、どの部分においても帝京FWが圧倒しましたし、この部分で圧倒出来たのも大きな自信になったと思います。
前半は流経大の健闘もあり2トライのみに終わりましたが、後半は最後まで集中力高く守り切り流経大を零封しつつ得点を重ね、終わってみれば「帝京大45-0流経大」と完勝。雨でコンディションが悪く得点が伸び悩んだのは止む無し、その上で流経大を完封した強固なディフェンスは本当に素晴らしかったと思います。
得点シーンとして特に印象深かったのは2つ。
1つ目は後半19分のシーン。敵陣G前での5mスクラムからハチキュー~9と10でループしてそこへブラインドWTBが走り込んで来るサインプレー、あれはお見事でしたね。あのプレーの応用編で裏表などいくつもサインプレーが派生しますし、取りたい時に色んなサインの引き出しを持っているのは強みとなりますね。
そして2つ目は後半37分の最後のトライシーン。敵陣G前で得たペナルティーから観客も含めほぼ全員が「タッチキックからラインアウト」と決めてかかる中、流経ディフェンスの隙をついて突如キックパス!このような、そつのなさが帝京大の強みでもあります。
この結果、帝京大学は12年連続での準決勝進出!これは史上初の快挙だそうです。本当に素晴らしい!
準決勝の対戦相手は、強力FWの大東大を更に強力なFWで圧倒した天理大学。夏の菅平練習マッチで勝利してはいますが「帝京大14-12天理大」とわずか2点差でしたし、差などあってないようなものだと思います。
準決勝に向けどちらが良い準備をするのか!?
正直この試合の行方は予想不能なので、来年1月2日はただただ現地で試合の成り行きをしっかりと見守りたいと思います。
あくまでも100% “観戦者の私見” ですので、「それは違う!」と思ってもクレームはご遠慮ください(笑)
出場メンバー
[帝京大学]
1 岡本 慎太郎(オカモト シンタロウ)[4]京都成章180cm/110kg
⇒17 長谷川 耀(ハセガワ ヨウ)[3]後半34分
2 清水 岳(シミズ ガク)[2]大阪桐蔭174cm/103kg
⇒16 奥野 翔太(オクノ ショウタ)[1]後半34分
3 當眞 琢(トウマ タク)[4]コザ182cm/120kg
⇒18 淺岡 俊亮(アサオカ シュンスケ)[4]後半0分
4 ジョセファ・ロガヴァトゥ[3]ハミルトンボーイズ194cm/105kg
⇒23 藤田 達成(フジタ タツナリ)[4]後半11分
⑤ 秋山 大地(アキヤマ ダイチ)[4]つるぎ191cm/111kg
⇒19 菅原 貴人(スガハラ タカヒト)[4]後半38分
6 今村 陽良(イマムラ タカラ)[4]東福岡186cm/103kg
⇒20 安田 司(ヤスダ ツカサ)[2]後半15分
7 中野 光基(ナカノ コウキ)[1]大阪桐蔭180cm/105kg
8 ブロディ・マクカラン[4]ハミルトンボーイズ192cm/106kg
9 小畑 健太郎(オバタ ケンタロウ)[4]伏見工業170cm/73kg
⇒21 末 拓実(スエ タクミ)[3]後半34分
10 北村 将大(キタムラ マサヒロ)[2]御所実業171cm/80kg
11 奥村 翔(オクムラ カケル)[2]伏見工業179cm/80kg
12 本郷 泰司(ホンゴウ タイジ)[3]京都成章180cm/93kg
13 ニコラス・マクカラン[2]ハミルトンボーイズ188cm/95kg
⇒22 西川 虎哲(ニシカワ コテツ)[1]後半34分
14 木村 朋也(キムラ トモヤ)[2]伏見工業174cm/77kg
15 竹山 晃揮(タケヤマ コウキ)[4]御所実業176cm/84kg
[リザーブ]
16 奥野 翔太(オクノ ショウタ)[1]常翔学園177cm/103kg
17 長谷川 耀(ハセガワ ヨウ)[3]佐世保工業175cm/97kg
18 淺岡 俊亮(アサオカ シュンスケ)[4]京都成章186cm/125kg
19 菅原 貴人(スガハラ タカヒト)[4]御所実業185m/105kg
20 安田 司(ヤスダ ツカサ)[2]常翔学園180cm/105kg
21 末 拓実(スエ タクミ)[3]長崎北陽台164cm/70kg
22 西川 虎哲(ニシカワ コテツ)[1]京都成章168cm/72kg
23 藤田 達成(フジタ タツナリ)[4]東福岡192m/100kg
[流通経済大学]
1 藤田 紘輔[3]流経大柏175cm/110kg
2 林 隆伍[3]流経大柏171cm/97kg
3 井上 雄太[3]遠軽176cm/120kg
④ 山川 遼人[4]尾道176cm/96kg
5 津嘉山 廉人[2]流経大柏185cm/110kg
6 タマ・カペネ[1]スコッツカレッジ187cm/93kg
7 坂本 侑翼[2]流経大柏176cm/93kg
8 積 賢佑[3]熊本西177cm/98kg
9 北原 夢馬[4]福工大付属城東165cm/65kg
10 林 宣樹[4]関西創価171cm/87kg
11 韓 尊文[4]大阪朝鮮184cm/92kg
12 平井 継之助[4]流経大柏174cm/84kg
13 ビリヤメ・タヤカワ[2]ケルトンボーイズ183cm/93kg
14 中根 稜登[2]田奈171cm/88kg
15 桑江 淳太郎[4]コザ175cm/83kg
[リザーブ]
16 小川 寛大[2]伏見工業178cm/100kg
17 松田 一真[2]常翔学園169cm/92kg
18 平良 竜太郎[4]宮古180cm/117kg
19 粥塚 諒[3]流経大柏183cm/98kg
20 中村 龍太郎[4]熊本西176cm/92kg
21 古川 晃平[2]和歌山工業164cm/74kg
22 山上 大治[4]興国171cm/76kg
23 イノケ・ブルア[1]スバグラマー175cm/89kg
この日グラウンドで会ったラグビー仲間たち

ジチョー人見 誠

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