4年生試合その② 感動の公式戦ジャージ授与式
※前回「4年生試合その① 帝京大学ラグビー部における4年生の役割」へは、こちらからどうぞ!
ファーストジャージを着るために4年間必死で努力し続けるのと並行して、自分自身がこのチームでお世話になったことの恩返しとしていま何をすることが真の意味で貢献することになるのだろう!?そんなことを自問自答しながら最後の最後まで頑張り続けた4年生へ最高のご褒美が用意されているのは12月の終盤。ある年は平日だったり、ある年はどうしても対戦相手が見つからず紅白戦となったり色んな変遷はありますが、今年は大学選手権準々決勝を戦い終えた翌日、12/24(日)に行われました。
その名も通称 “4年生試合” 最後の最後にファーストジャージを着てピッチへ立つ夢の叶わなかった4年生を中心に編成されたチームが練習試合を行うんですが、この最後の4年生試合だけはファーストジャージを着てプレーすることが許されるのです。1年生の時から当たり前のように着続けている選手がいるということはその反面、どうしても最後の最後までファーストジャージに袖を通すことが出来なかった選手も相当数いるわけで、ここまでの努力の証として着用を許された時の感動がいかほどのものか、想像してみてください!
しかも対戦相手がまた最高なんです。以前は明らかに格下の大学であったり、対戦相手すら見つからず紅白戦だったりした年もありますが、4年前からはずっと継続して慶應義塾大学さんが帝京大グラウンドまで足を運び対戦してくれています。慶應は慶應で4年生の送別試合としてしっかりと思いを持ち戦ってくださってるように見受けられますが、そのあたりはまた観戦記で触れることにしましょう!
公式戦前日のファーストジャージ授与については、各校ともそれぞれの形式で伝統のジャージ授与式が行われているようです。私が現役の頃は特に公式戦ジャージは神格化されており、晴れ舞台の公式戦で選手たちが身にまとった形でお披露目されるまでは人目に触れぬよう管理されていました。そして公式戦ジャージ授与式についても寮の大部屋で関係者及びジャージ係の1年生のみで厳かに行われていましたので、実は寮生でなかった私は現役時代のジャージ授与式に一度も立ち会った経験がありません。なので私が自分の目で直接確認して知っているのは、現在の帝京大学ラグビーのスタイルのみです。
ちなみに現在の帝京大学ラグビー部のジャージ授与式は、全部員の前で行われます。「あまり神格化して隠し過ぎてしまうと、ファーストジャージをが遠い存在でリアルに感じられなくなってしまう。授与式を可視化することで、このジャージを自分も着たいという目標が明確になるから。」と以前にその理由をお聞きしたことがあります。
もちつき大会
ちなみにこの日は、地元のR&Bラグビースクールの生徒やご父兄・指導者の方々主催で恒例のもちつきも併せて行われました。
堀越主将、尾崎副将、岩出監督やコーチ陣などが代わる代わる杵を振り上げもちをつき、つきたてのおもちが参加者へふるまわれていました。最高のリラックスタイム、選手たちも英気を養えた様子です。
最後にチームを代表して堀越康介主将からお礼のごあいさつ。とても心のこもった素敵なスピーチでした。
公式戦ジャージ授与式
もちつき大会が終わったら舞台はグラウンドに移り、いよいよ公式戦ジャージ授与式です。
整然と準備された公式戦ジャージを前に、張り詰めた空気が漂います。
右隅には清めの塩も。
岩出監督が公式戦ジャージの前にスタンバイ。
全員が目をつぶり精神統一。
岩出監督の号令でいよいよジャージ授与式がスタートです!
まず岩出監督が清めの塩をジャージにまんべんなく振りかけていきます。
そこから背番号順に呼び出された選手がひとりずつ、岩出監督から公式戦ジャージを手渡されていきます。
実際の公式戦では同じ番号は1つしかありませんが、この試合の場合は1つの番号が2名ずつ呼ばれていました。
※途中まさかのカメラトラブルで撮影できなかった小川正志選手、萩之谷篤選手の2枚だけは帝京大ラグビー部のものを借用しましたm(_ _)m
最後にキャプテンのあいさつ。今季ほぼ全てのC,Dマッチでゲームキャプテンを務めた萩之谷選手(4年)が全部員の前で決意をスピーチ。
個人的には2年前のこの試合でゲームキャプテンを務めた上田陸選手のスピーチがとても感動的で強く印象に残っています。当事者たちじゃなく控えの下級生たちがみな涙していましたからね。
これでジャージ授与式が終了です。選手たちみんな、色んな想いを背負ったいい表情をしていましたね。ここまでずっとレギュラークラスに喰らいついていてこの試合に出る必要のない(大学選手権準決勝出場予定メンバー)位置にいてもおかしくなかった選手、最後までケガに泣かされ間に合わなかった選手、最後までファーストジャージには手が届かなかったものの今回ようやく初めて袖を通せた選手・・・ひとりひとりの選手にそれぞれ3年半の物語があるんですよね。
私は彼らが1年生の時からほとんどの試合を観戦し続けていますので、彼らの1年生の時の顔とプレー、2年生の時、3年生の時、そして今と全てが頭に浮かびます。久保佑太選手がロックというポジションでありながら相手ウイングの独走を約100m近く追いかけ続けギリギリのタックルで防いだシーン、保坂純平選手の強気全開でガシガシ突っ込むタテ突破、津岡翔太郎選手の伸びやかなストライドで驚異の加速による独走トライ・・・みんなカッチョ良かった。もうここまで来ると気分はすっかりお父さんです(笑)みんなオトナの顔になったなぁ♪
さてそれではいよいよ次回は4年生試合「帝京大学vs慶應義塾大学」の観戦記を紹介したいと思います!

ジチョー人見 誠

最新記事 by ジチョー人見 誠 (全て見る)
- 本日、高校ラグビー全国大会埼玉県予選決勝が行われます! - 2019年11月16日
- 本日、関東対抗戦グループ上位4校の直接対決だよ~!! - 2019年11月10日
- ラグビーW杯2019日本大会、いよいよ本日準々決勝「日本vs南ア」決戦の時! - 2019年10月20日
関連記事
-
-
ラグビーW杯2019日本大会開幕しましたね♪
「もうすぐワールドカップが日本で!」「ワールドカップいよいよ開幕!」等々、ラグビーに何らかの形で携わ
-
-
練習マッチ「帝京大学Avs早稲田大学A」観戦記
試合結果 2017年(平成29年)8月20日(日)13:00キックオフ 於:菅平サニアパーク
-
-
第18回 関東新人大会2回戦「流通経済大柏vs東海大相模」観戦記
試合結果 2018年(平成30年)2月11日(日)13:00キックオフ 於:熊谷ラグビー場B
-
-
第55回大学選手権準々決勝「帝京大学vs流通経済大学」観戦記
試合結果 2018年(平成30年)12月22日(土)14:20キックオフ 於:秩父宮
-
-
ジチョー人見誠の履歴書その⑭[関東大学ラグビーの歴史編]
※ジチョー人見誠の履歴書その① 「幼少期編」 ※ジチョー人見誠の履歴書その② 「ラグビーとの出
-
-
練習マッチ「帝京大学Dvs東海大学D」観戦記
試合結果 2017年(平成29年)10月1日(日)11:00キックオフ 於:帝京大学百草グラ
-
-
ジチョー人見誠の履歴書その㉔[帝京大学ラグビー部1985年秋シーズン⑥ 失意の終戦編]
※ジチョー人見誠の履歴書その① 「幼少期編」 ※ジチョー人見誠の履歴書その② 「ラグビーとの出
-
-
練習マッチ「帝京大学C,Dvs流通経済大学C」
試合結果 2017年(平成29年)6月18日(日)11:45キックオフ 於:帝京大学百草グラ
-
-
ラグビーW杯2019日本大会、本日いよいよ開幕です!
9月20日と言えば、日本ラグビー界にとって忘れられない記念日ですよね。 そう、4年前の第8回ラ
-
-
吉野家の牛丼が好きな理由、それは青春の味だから!
吉野家、松屋、すき家、なか卯・・・世の中には美味しくて安い牛丼チェーンがたくさんある中で、最も好きな